人材業界15年目。求職者ファーストか仕組み化か——二極化した業界で、BOXを第三勢力にする

転職エージェントは二極化している——。2011年から人材紹介一筋でキャリアを歩み続けてきた近藤 和也は、「僕が見つけられていないだけかもしれないが、」と前置きをしながらも、こう言いました。

一方は、個が裁量を持ち、求職者一人ひとりに時間をかけて向き合う「職人型」のエージェント。もう一方は、仕組み化を徹底し、組織としてのスケールを追求する「プラットフォーム型」のエージェント。

近藤は職人型のエージェントで、約15年間、何百人もの求職者を新しい職場へ送り出してきました。長いエージェントキャリアの中で、キャリアアップを遂げた元求職者と再会することも、かつて担当した人から再びキャリアの相談をされることもありました。

しかし、近藤はあるときこう思うようになります。「自分の手が届く範囲だけに影響を及ぼす、職人のようなエージェントで終わっても良いのか?」

そんな思いから転職活動を始めた近藤は、次なる職場としてBOXを選択します。数ある人材企業からなぜBOXを選び、これから何を仕掛けようとしているのか、話を聞きました。

近藤 和也
大学卒業後、株式会社ニトリに入社。2011年より20代特化の転職エージェントへ転職し、キャリアアドバイザー、大阪支社長、東京本社ゼネラルマネージャーを歴任。2019年にはブティック型の転職エージェントへ転職。求職者を支援する傍ら、首都圏エリアのマネジメント、セールスイネーブルメント組織の構築、ミドル・ハイクラス向けエージェントサービスの立ち上げを経験。人材業界15年目を迎え、株式会社BOXハイクラス支援事業部へ転職。

目次

  1. 人生の節目で再び指名されるエージェントになれた
  2. 職人のようなエージェントで終わりたくない
  3. 事業を創り、人材業界を変えるため転職を決意
  4. BOXは業界のシンボルになりうる会社

人生の節目で再び指名されるエージェントになれた

——近藤さんは新卒でニトリに入社しています。なぜそこから人材業界へ?

僕が入社した2008年ごろ、ニトリはすでに大きくなっていて、テレビCMを展開し、国内外に店舗や物流拠点を設けていました。新人向けのマニュアルが整っていて、決まったことをきちんと履行する文化が根強く、大きな組織の小さなひとりという感覚が強かったんです。

誰かに雇われる以上、組織の一員であることに変わりはありませんが、約3年勤める中で、せっかくなら会社や組織に対して影響力を持つ個になりたい気持ちが強くなり、転職しようと考えました。

また、僕が就職活動をしていた2007年は売り手市場でした。いろいろな会社の選考で、自分を認めてもらえる。最終面接まで進み、いくつも内定をもらえる。就職活動は自分にとって楽しいイベントでした。

新卒1年目の2008年にはリーマン・ショックが起き、それ以降は就職氷河期が始まります。僕自身には大きな影響がなかった一方で、後輩や就職活動中の学生から「就活では怖い思いばかりした」「正社員になれそうにない」という話を聞いて。自分があんなに楽しかった就活で困っている人がいるんだと驚きました。就職に困っている人を支援したい気持ちから、人材企業に転職しました。

——それから約15年間、近藤さんは一貫して人材紹介企業に在籍しています。どんな面白みを感じていますか。

以前支援した求職者と再会できるのは、人材業界で働き続ける面白さのひとつでしょうか。その人が転職先で事業責任者になっていたり、求人を出す側として僕に相談してくれたり。独身だった人に家族ができ、人生の節目で改めて転職活動を支援することもあります。

海外では「人生において持つべき友は、医者と弁護士と転職エージェント」と言われることがあるそうで、僕はこれまで出会ってきた人にとって必要な存在になれているんじゃないかと思います。

ほかには、フリースタイルで活躍しているエージェントが多く、見ていて面白いなと。人間力があり感覚的に求職者をモチベートできる天才型のような人もいれば、入念な準備を重ねてから面談に臨む計算型の人もいる。自分の個性をうまく活用できれば、どんな人でもゲームチェンジを起こせるのが面白いところですね。

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——近藤さんはどんなタイプのエージェントですか。

僕はあんまりキャラがないんです。一度会ったはずなのに顔を忘れられることもありますし(笑)。

だから知識で戦えるエージェントであろうと思っています。企業ごとの求人情報や事業構造、カルチャーなどを網羅的に把握して、確かな情報を求職者に届ける。それを強みにして今まで働いてきました。

職人のようなエージェントで終わりたくない

——人材企業で働き始めてから2度の転職を経て、BOXに至っています。それぞれどんな転職動機がありましたか。

まず前々職では、リーマン・ショック以降業績が右肩上がりで、組織の拡大やオフィスの移転など、分かりやすい成長を遂げました。しかし次第に成長が鈍化。上のポストが詰まり、出世が望めないと分かった人から会社を去りました。

社内では、現状を打開するため、既存事業を成長させる以外に何か新しい事業をと議論になるも、僕を含め社内に新規事業を立ち上げられる人材がいない。会社が成長し続けなければ働きたい人と働けないんだと実感し、職人のようなエージェントで終わらず、非連続的に会社を成長させる術を身に着けたいと思うようになりました。

それで転職したのが前職です。前職では、ミドル・ハイクラス向けエージェントサービスを立ち上げ、事業責任者を経験できました。ただ、これまでの自分の経験からエージェントとしてのバリューを発揮できたものの、組織づくりに関しては想像以上に苦戦して。

当時のわたしは、特定の誰かから5.0の評価を得るサービスはいらない、社内の全員が3.5以上の評価を受けるようなサービスが必要であると考えていたんです。そのためには、エージェント経験の有無にかかわらず、誰しもが一定の成果を出せる仕組みが必要でした。しかし仕組み化を重視しすぎると今度は、求職者に丁寧に向き合えなくなっていき、顧客満足度にも影響が出てくる。前職ではその両方を維持できず、組織としてサービスの品質を担保できませんでした。

それから、求職者ファーストであろうとする気持ちと、仕組み化、どちらも両立する事業づくりに再挑戦したいと思い、再び転職活動を始めました。

——どんな観点で転職先を探しましたか。

人材事業に思いを持っている企業を中心に探していきました。

事業責任者をして感じたのは、人材業界には、職人のようなエージェントが集まる会社か、仕組み化されたプラットフォーム型の会社しか存在していないということ。どちらか一方が優れているという話ではありません。ただ、その中間を開拓している企業を見たことがありませんでした。

エージェントのいろはを学んだのは2社目(前々職)で、そこはどちらかというと職人型のエージェントが集まる企業でした。一方で、事業責任者を経験した3社目(前職)は、どちらかといえばプラットフォーム型。組織全体で求職者に対する意識を醸成するのがなかなか難しかったんです。

僕が実現したいサービスを実現できるのは、きっと職人のようなエージェントが集まり、大前提として一人ひとりが本気で求職者に向き合っている会社。仕組みは後から作れたとしても、求職者に対する意識は後から育てられないと思ったんです。それで、人材事業に特別な思いを持っている企業、かつこれから組織を構築していけそうな企業に応募しました。

事業を創り、人材業界を変えるため転職を決意

——BOXとの出会いは?

前職時代に、エージェント各社が集まる、クライアント企業が開いた説明会の場でBOXを知りました。

基本的に、エージェント向けの企業説明会は、会の後半に質疑応答の時間が設けられます。企業側に「どなたか質問は?」と尋ねられても、大抵は皆さん遠慮して質問せず、代わりにその企業の人事の方が経営者や事業責任者に質問をして終わってしまいます。

ただ、BOXが説明会にいるときは、BOXのメンバーが全員と言っても言い過ぎではないほど手を挙げるので、BOXだけで質疑応答の時間を使い切ってしまうんです。最初は、なんだこの会社と思っていて(笑)。ホームページやnoteなどで調べてみたら、とにかく求職者に向き合うことに時間をかけるエージェントばかりで、人材事業に対する並々ならぬ思いを感じ取れました。

前職時代から気になっていて、いつか話を聞いてみたいと思っており、今回の転職活動で応募しました。

——BOXとの面談ではどんな話をしましたか。

最初に面談を担当してくれた牧野さんからは、僕の価値観を知ろうとする質問を多くされ、僕がエージェントとして求職者に向き合うときのスタンスと近いと感じました。

学生時代の話や、どんな価値観を持って今まで働いてきたのか、今回はどんな目的で転職活動をしているのか。求職者ファーストでありながら仕組み化もされている事業を創りたいという話も、牧野さんに伝えました。僕との面談を、会社説明やスキルチェックの時間にするのではなく、僕がどんな人間なのかを知ろうとしてくれたのが嬉しかったですね。

それに、牧野さんが自然体でいてくれたのが印象深いです。僕は今40歳を超えていて、面接を担当する方のほとんどは、牧野さんのように年下の方です。彼はハイクラス支援事業部の責任者として、普段から年上や経営層に近い方と相対しているから、僕が来ても特に緊張しなかったのだと思います。牧野さんの様子を見て、きっとサービスの質が高いだろうと思いました。

それから一次面談が終わって数時間後、「近藤さんが今日話してくれたロマンと仕組みのバランスは、人が幸せに生きるために必要だ」「人材紹介において“効率化”や“売上”だけが正義ではない」と、牧野さんから熱意が込められたメッセージが届きました。

正直に言えば、BOX以外にも複数社の選考を受けていて、中にはエージェントとしての成果報酬が非常に魅力的な企業や、「フルリモートで自由に働いてください」と言ってくれる企業もありました。それらの企業に転職すれば、おそらく僕自身やそこで出会う求職者は幸せになると思います。ただ、人材業界に対するインパクトは少ない。

人材業界を本気で変えようという気持ちを持っている人と一緒に働きたい、この人たちと一緒に事業づくりをしたいと思い、BOXへの入社を決めました。

BOXは業界のシンボルになりうる会社

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——BOX入社後、近藤さんはハイクラス支援事業部所属になりました。現在はどんなことに取り組んでいますか。

マネージャーや事業責任者、CxOを経験した求職者の方の転職支援をしています。社会人経験が豊富で、入社の伝手もあるような方ばかりですが、自身が見えている領域の外側から転職先を選びたいと考え、僕らのようなプロを頼りに来られています。

また紹介先企業の経営陣との会食や、オフィス訪問などもしています。これまでもなるべく信頼度の高い情報を取ろうと心がけていましたが、BOXに来てこんなに一次情報に触れられるとは思っていませんでした。より一層、確かな情報を届けられるエージェントとして、求職者を支援していくつもりです。

——BOXの組織に対しては、どんなことに取り組みをしていきたいですか。

社内に蓄積されている情報の整理整頓、オーガニックの集客数増加など、さまざまな課題に着手していこうと思います。

牧野さんとの一次面談の後、執行役員の神宮司さん、人材紹介事業部責任者の石黒さん、代表の長山さんとも話して、未着手の課題が多いと知りました。にもかかわらず、市場での存在感が大きくなっている。これはエージェント一人ひとりが求職者に向き合っているからこそ、成し得ているのだと考えられます。

しかしこのままだと、この成長はどこかで鈍化します。今は若い社員が熱量を持って、仕事にかけているから成長できているのだと思いますが、これから30代、40代になると、体力やライフステージの変化に伴い、今と同じ働き方ができなくなります。

求職者への思いが強いBOXが、瞬間的に燃え上がるような組織ではなく、長くマラソンができるような組織にするため、さまざまな課題に着手し仕組み化に取り組んでいこうと思います。

——最後に、BOXへの入社を検討している方へメッセージをお願いします。

BOXは若い企業です。親会社からスピンアウト(分社化)してまだ2年しか経っていませんが、個人や法人のファンが多い企業だと感じています。これから、人材紹介か、スタートアップか、どの領域かは分かりませんが、ある領域のシンボルになる可能性がある企業だと思います。それを一緒に作っていける人と働けたら嬉しいです。

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