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「年齢とキャリアを重ねると、AND条件が増える」—ハイクラス転職に立ち会うエージェントが見ている景色—

HighClass事業部を立ち上げて、4ヶ月が経った。

近藤さんと関根さんという、まったくタイプの違う二人と、一緒に走ってきた。改めて二人の週報を読み返してみると、面白いことに気づく。同じ事業を見ながら、同じ数字を見ながら、書かれている言葉がまるで違う。

「これは何の違いなんだろう」という問いを置いて、3人で60分話した。答えを出す場ではなく、見えてきたことを並べる場として。この記事は、その記録です。

ここで二人が口にした言葉のいくつかは、ハイクラス支援という仕事の輪郭を、少しずつ立ち上げている。

——神宮司


週報を書くとき、何を思い浮かべている?

神宮司:週報を書くとき、何を思い浮かべながら書いている感じですか?

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神宮司

近藤:僕は結構、振り返りなんですよ。毎日数字を見てるわけじゃなくて、週報がなければ2週間見ないこともあるし、忙しかったら3週間見なかったりする。週報って、その週の振り返りをするから、自分の中でズレが出てないかを健康診断的に見ることが多くて。

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近藤

この仕事って、成果が出るまで2、3ヶ月かかるじゃないですか。初回に出会ってから、転職先が決定するまで。調子のいい悪いって、みんな決定したかどうかで判断するんですけど、本当はその初回面談からエントリーするところまでの行動が、2、3ヶ月後に結果として出てくる。
だから、調子の良し悪しを「今、決定したかしなかったか」で測らないようにするために振り返る、というのが大きいかなと思います。

関根:私は、特に去年までの2年間は逆に数字しか考えてなかったんですよ。あまり他のことを振り返ってなかったので、今は1週間のカレンダーを見返すんです、金曜日の週報を書くときに。あれもあったな、これもあったな、と。あと、毎日自分で日記みたいのつけいてるので、それも見返しながら印象的なものを書く、という感じですね。

どちらかというと、数字よりは内面的にこの1週間で残ったものを残す、そういう風に使ってるという感じです。

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1月から、何が変わったか

神宮司:1月9日の最初の週報を、ちょっと見返してみてもらえますか。今と比べて、何か思うことはありますか?

関根:見返してると、1月2月ぐらいは悩んでたんだなっていう気がしていて。ハイクラス支援の意義とは、とか、いろんな人に聞きに行ったりとか、結構落とし込もうとしてたな、って。
3月ぐらいからは、少しずつ話せるようになってきました、みたいなことを書きながらも、まだ難しいです、みたいなことを言ってる。徐々に違うものが壁になってるな、という感じですね。

1月2月のときは、すごい「How」を求めた気がするんですよね。ハイクラス支援はどういう風にやってるのかを教えてもらおうとしてて、「皆さんは何がやりがいなんですか?」みたいなところまで、すごい聞きに行っていた。答えを求めて来たな、という気がしていて。

最近、外のイベントとかで人の話を聞くときは、「そういうものもあるよね」というぐらいの位置づけで聞いている。
答えを求めるというよりは、いろんな情報収集のひとつ、という捉え方になっていますね。


ハイクラスの選考に立ち会うとき、何が起きているか

近藤:ハイクラスの市場に対する記載が、自分の週報には多いなと思いました。多くの求職者が選考を受けて、通過したり、見送られたり、辞退になったりしてるんですけど、その案件に関してはそんなにコメントがなくて、ハイクラスの方の選考が進んだ後の振り返りが多い。

ハイクラスの方って、組織に与える影響が大きいから、採用する側もすごく慎重になる。1回、2回の面接でスパッと内定が出るっていうよりは、本当にお互いのためにフィットするのか、適性テストなのか、再面接なのか、現場面談なのか、とにかく工程が多い。だからこそ、振り返るフックも多いんです。

特に、追加面接をどう伝えるかが、本当に重要だなと。若手よりも、ハイクラスの方のほうが、感情の上がり下がりが大きい気がしていて。面接が1回追加されただけで、「疑われてるみたいだ」とか「スパッと決めてくれないんだ」とか、そういう受け取り方をすることがある。

神宮司:それは、なぜなんでしょうね。

近藤:自分には信頼があると思っている方もいそうですよね。積み重ねてきた実績や経験があるから、これぐらいの信頼はしてもらえるという自負がある。長く勤めた会社で築いてきたものがある人ほど、そう感じるのかもしれない。

でも、新しい環境に入ったら、またイチから築いていかなきゃいけない。他人ですからね。「まだ仲間でもないし、これからそうなるかもしれないけど」っていう前提が、見えにくくなっているのかもしれない。


「自分のこと」になると、何が起きるのか

神宮司:お会いしている方々って、仕事においては結構重い意思決定を日々している方ですよね。事業売却もそうだし、ヒリヒリするような交渉ゴトも日常的にある。なのに、自分の転職になると、判断材料がなんだか曇ってしまう。これって、何がそうさせているんでしょうね。

近藤:なんでだろうな……。たぶん、ちょっと年齢を重ねてくるじゃないですか。30後半とか40過ぎたりとか。人生のビジネスパーソンとしての残り時間が、半分になってくる感覚がある。家庭環境の変化だったりとか、人生の残り時間を意識する年齢でもあるのかなと。

20代のときに思っていた「残り時間」じゃなくて、人生の残り時間を「有限なもの」だと改めて認識する。どこに自分を投下するかを決める作業だから、いちばん慎重になるんじゃないかなと思うんですね。

マーケティングで予算ぶっ込んで失敗しても、後でなんとかすればなんとかなる。失敗しても、また別の場でやればいい。でも、環境を変えること、自分の時間をどこに置くかを決めるのは、重い。今の延長線上で起こったトラブルは自分で解決できるけど、「変える」っていう決定は、その重さが違う。

関根:私が思うのは、自分自身のことになると、「感情」が前に出てしまうのだと思います。ビジネスの意思決定だと合理的に判断できるのに、自分のことになると、感情と事実が混ざってしまって、判断の精度が落ちてしまう。

ハイクラスの方って、「求められているか」をとても気にされているんですよね。これまで積み上げてきたものが、他で活かせるのか、もしかしたら不安もあるのかな、と。
「あなたの、こういうところが活かせます、こういうところで力になってほしいって思ってます」って言ってほしいんだな、という、意外とチャーミングな部分があるんだな、と感じることがあります。

近藤:年齢とキャリアを重ねると、AND条件が増えるんですよ。若いときはOR条件のほうが多い。「もしくは何々でもいい」っていう。
でも、年を重ねれば重ねるほど、ORがどんどんANDに置き換わっていく。クリアしないといけない条件が、積み重なっていく感じ。

あとは、ビジネスだったら、自分の手元にある情報の中で精査して結論を出せる。でも、転職は見えない部分が大きいじゃないですか。
入社する前から、現場の人がどんな人なのか、代表が実際どんな人なのかって、1・2回、1時間会っただけで判断しなきゃいけない。
ほとんど見えない中で意思決定する。だから迷うんだと思うんですよね。


エージェントは、どこに立つのか

関根:最近思うのは、お引き合わせするところまでが、やはりこの仕事のメインだなと。出会いをどう増やせるかのところに、エージェントの価値はある。
自分一人で考えると凝り固まってしまったり、知らないところがあったりすると思うんですけど、そこを少しだけ広げてあげる、ずらしてあげる。それで、良い意味で気軽に企業と引き合わせる。それが価値だったりするのかな、と思います。

近藤:もちろん、それも大切だと思います。まだ視点になかったところを気づかせてあげたり、「そんな会社あったんですね」って言ってもらえたりすると、嬉しい。それと、もうひとつは、意思決定ができるように、必要な情報をちゃんと揃えてあげる仕事だと思っているんです。

変に不安を煽るでもなく、変に他社の選考状況を持ち出すでもなく、事実、必要な情報を積み重ねていく。クロージングをしに行くんじゃなくて、企業側と求職者の両面に、その時に必要な情報をちゃんと届けてあげる。

神宮司:早期離職してしまう方というのは、入社前に聞いていたものと、入った後に見えたもののギャップを、早いうちに見てしまった、ということなんでしょうか。

近藤:そうですね。あとは、自分側が見えていない、ということもあると思います。たとえばオープンコミュニケーションを取るのがカルチャーだった会社に入って、「え、こんなことまでオープンチャットで指摘するんだ」みたいなカルチャーショック。
企業も嘘をついているわけじゃなくて、本人が「そこ」を気にしていなかった。聞かれていないことには、答えようがない。だから、ここをすり合わせる必要があるって、お互い思っていなかった部分が出てくる。


答えがないことに耐えながら、一緒に問いを立てていく

60分の対話で、答えにたどり着いたわけではない。むしろ、問いが増えた時間だった気がする。

なぜ、ビジネスでは合理的に判断できる人が、自分のキャリアになると判断材料が曇るのか。「AND条件が増える」ことの先で、エージェントは何を引き受けられるのか。本人が気に止めていなかった「すり合わせの必要な部分」を、どう一緒に見つけるのか。

ここで二人が話していたことは、何かの完成された方法論ではなくて、立ち上げ4ヶ月の現在進行形で見えてきている景色です。
だから、これを読んで「自分なら、ここをこう見る」と思う方がいたら、ぜひ話を聞かせてほしいです。

ハイクラス領域のキャリア支援は、簡単には答えのでない仕事です。
答えを持っている必要はありません。答えがない問いに、一緒に向き合える人と、これからの事業を作っていきたいと思っています。

もしご興味のある方は、カジュアル面談大歓迎です。

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