2026.05.27
人材紹介という仕事を、どう引き受け直すか

※これは事業の宣言ではなく、20年弱この仕事に関わってきた中で立ち上がってきた問いと、それを事業として引き受け直そうとしているメモです。
対話と実践の中で、言葉や輪郭は更新されます。(2026年5月現在)
はじめに
人材紹介という仕事に、20年弱関わってきました。
長くやってきたからこそ、 「こうあるべきだ」と主張したいわけではなく、 それでも、どうしても見えてしまった因果があります。
それを見なかったことにせず、 この仕事を続けるのであれば、 事業として、どんな職業に引き受け直すのか。
その再定義を、自分たちに課しています。
ビジネスモデルを、否定したいわけではない
人材紹介のビジネスモデルは、30年以上大きく変わっていません。
- 年収の35〜40%がフィーとなる、高利益率の構造
- 参入障壁が低く、紹介会社は3万社規模まで増えている
この構造そのものを、否定したいわけではありません。 このモデルがあったから、転職という選択肢が一般化したのも事実です。
一方で、
- 情報の非対称性を前提にしたマッチング
- 短期間で人を”回す”ことで成立するモデル
が、人の人生を扱う仕事として どこかで無理をしている感覚も、拭えません。
その違和感を抱えながら、それでもこの仕事を続けるのなら、 何を引き受け、何を引き受けないのか。
そこを自分たちの言葉にしておきたい、と思っています。
それでも、この仕事が必要だと思う理由
かつて自分は、
「情報の非対称性がなくなれば、転職エージェントは不要になる」
と考えていました。
今は、考えが変わっています。
企業側の情報は、以前より開示されるようになりました。
一方で、個人側の情報は
- 出す or 出さないは、最終的には本人が選ぶ
- 出すことで、不利になることもある
つまり、非対称性は埋まらない。
むしろ最後に残るのは、 社会関係性・恐れ・葛藤・信頼といった、
データ化できない領域です。
個人に残る「非対称性のラストワンマイル」
人材紹介の本質は、 情報を集めて伝えることでも、 正解を当てることでもないと思っています。
- 「ここだけに留めてほしい」
- 「この話をするのは、あなたが初めて」
と言われる関係性を、引き受けること。
転職エージェントが引き受けるとすれば、それは個人に残る非対称性のラストワンマイルだと考えています。
AIや機械では代替できないのは、ここだけです。
誤解されたくないこと
「この仕事は、人の人生を左右する仕事だ」と、強い使命感・責任感で格式を上げたいわけではありません。
「誰かを導く存在だ」と、崇高に仕立て上げるつもりもありません。
「正しいキャリア」を、提示したいわけでもありません。
むしろ、
- 判断を急がせない
- 「転職する・しない」以外の選択肢を、一度広げる
- 今すぐ決めなくてもいい状態を、一時的につくる
そうした条件設計に近い仕事だと、捉えています。
引き受けること、引き受けないこと
事業として引き受け直す、と書いた以上、
何を引き受け、何を引き受けないのかを、置いておきます。
引き受けること
- 候補者が、自らの判断を保ったまま選択できる条件を整えること
- 「今は動かない」も含めた選択肢を、同じテーブルに並べること
- 一拍立ち止まる時間を、こちらが奪わないこと
引き受けないこと
- 先回りした答えを、押し付けること
- 動かすことを、目的にすること
- 相手の物語を、自分の成果に回収すること
これは「正しい人材紹介」を主張したいわけではなく、
自分たちが、この仕事を続けるための条件です。
20年弱やってきて、 分水嶺やその先の可能性が見えてしまう瞬間はあります。
それを相手に押し付けないために、 先読みは一拍保持して、必要なときに、必要な分だけ「問い」に変換する。
その技術と姿勢を、事業の中に組み込んでいきたいと思っています。
仮の結論
人材紹介とは、
適職を当てる仕事でもなく、 転職を促す仕事でもなく、
人が自らの判断を保ったまま選択できる条件を、 一緒に整える仕事。
というのが、今の仮置きの結論です。
この仕事のあり方を、 同じ重さで引き受けられる人と、 少しずつ広げていけたらと思っています。
同じ違和感を持っている方へ
ここまで読んで、
「自分も、この違和感を持ったことがある」
「この仕事を続けると決めたが、引き受け方を変えたい」
と感じた方がいたら、一度話してみませんか。
カジュアル面談、というほど整った場でなくて構いません。
業界の話、構造の話、自分の引っかかりの話。
何を話すかは、その場で決めてもらえれば。
採用しているのは、株式会社BOXのハイクラス支援事業です。
入社を前提にした話でなくて構いません。
同じ問いを持っている人と、まず対話を交わしたい、というのが本音です。




